2025.1月末。23歳のカンタは心臓に人工弁を入れた。
その後、脳内出血を発症し右麻痺になってしまった。
大元の原因はアトピー性皮膚炎。よくある疾患であり完治できない方も多くいるであろう。
完治できなかった青年は感染性心内膜炎という疾患になりその後、くも膜下出血・脳内出血を起こす。
- 完治を目指す
- 早期発見、早期治療
体の異変、胃が痛い・頭がガンガンする・肩が痛いなどよくある症状だと思う。
しかし大ごとになることがあるということを皆様にお伝えしたい。
全身に血栓が飛んでいる
2025年1月末。元旦那と暮らしているカンタが入院したと連絡があった。
「3日前から熱が出て新型コロナの検査をしたけど陰性だった。家で静養してたけど立ち上がれなくなったから〇〇病院に入院したよ。脱水らしい。」
ええ?脱水起こるくらい放置??私は頭に血が昇る。イライラしながら電話を切る。
入院当日、また次の日とカンタにLINEするけど既読にならない。まあまあ仕方ない。キツいのだろう。
入院して2日後に娘から急ぎの電話がかかってきた。
「お父さんから電話があった。お兄ちゃんが今から救急車で〇〇病院に転院するって。全身に血栓が飛んでるとか言ってた。」
は???なに???
どうしてカンタが
私は転院先の近くに住んでいるため車で30分位で着く。救急車のカンタより先に着けるかもしれない。(カンタが入院していた病院は県外なのだ)娘を連れて病院へ急ぐ。
転院先の病院に着くとカンタを乗せた救急車はもう病院に着いていて検査中だという。
30分ほどして元旦那が病院に到着。詳細を聞く。
「病院でCTを撮ったら血栓が全身に飛んでいる状態だった。入院日にもCT撮ったんだけど全然違うって。23歳でこんなことにはならない。原因がわからないから検査に行きましょうって。熱も下がらない。けどちゃんと話せたよ。聞いた?今から救急車で病院変わるんだってってカンタが話してた。」
わからん。なんで血栓が全身に飛ぶ?待合室で2時間経っても3時間経っても検査が終わらない。呼ばれる気配もない。何が起こってる?受付に聞いても「検査中ですのでお待ちください。」
待つこと4時間‥。目の前をストレッチャーで運ばれていくカンタ。看護師さんが男性2人。すごいスピードでどこかに行っている。カンタの顔が赤黒く目は開いていない。明らかにぐったりしている。
元旦那に「話せてるって言ってなかった?あれ、意識レベル悪いよ?」脳外科勤めの経験がある私にはすごく悪い状態に見えた。
元旦那は「いや、病院から出る直前まで話してたよ。え?なんで?」
明らかに元旦那も動揺している。問い詰めたところで何も変わらない。
深いため息と明日の勤務を見るために携帯を取り出した時だった。
「〇〇カンタ様のご家族様いらっしゃいますかー!」遠くから看護師さんが叫んでいる。
何時間も呼ばれるのを待っていたのに、急いで家族を探している声に私の中には矛盾があった。何を言われるのか。想像を絶することではないのか。
しかし元旦那は「はい!」と生徒のように手を挙げて看護師を呼んだのだ。いつでも真面目だ。(公務員は歳を取ってもお利口さんなのだ。)感謝する。
看護師「CT検査などを行いましたが心臓の検査を行うようになりました。カテーテルを使用しますので同意書にサインをお願いします。」
看護師は急いでいるのだろう。それはそうだ。同意書がないとリスクのある検査はできないのだ。ここでなぜ?とか心臓の検査?などの質問は後回しだ。こちらの感情は冷たいコンクリートの地面に叩き出される。
もと旦那は書類に言われるがまま記入している。頭や身体が空洞になりながら看護師に尋ねる。
私「心臓が悪いということですか?」
看護師「CT検査などを行って心臓の検査が必要なようです。検査結果が分かり次第先生の方からご説明があると思います。」
OKOK。そりゃそうだ。私でもそう言う。今どのような状態なのか検査しないとわからない。不安を煽るような言い方をしてはならないのだ。今から検査をするのだから。
感染性心内膜炎
待ちすぎた。病院に着いてから9時間後に先生から呼ばれた。
私と元旦那2人を残して、娘たちや祖父母、近くの親類などは私自宅に帰った後だった。それくらい不安であり待ちきれない時間の長さだった。
先生「カンタさんの検査を行いましたが感染性心内膜炎という判断に至りました。かなり危険な状態のため明日手術が必要です。」
色々説明をしてくれているけどあまり覚えていない。
皮膚から感染して(カンタはアトピーがあった。それが悪さをしたのだ。)心臓の弁がボロボロになっていて剥がれた細胞片が血流にのって全身の血管の細いところに詰まっている状態だという。(とても簡単にいうとそうだ)
先生「心臓の弁は4つあります。1つは人工弁に変える手術が必要になるでしょう。もう一つは開いてみないと分かりません。」
おいおい。誰の話をしている?私たちのカンタの話をしているのか?間違って違う人の説明してないか?カンタは23歳になったばかりだ。色々説明してくれているが頭に入らない。
先生「かなり悪い状態ですので明日の朝一番に手術を入れます。」心臓外科の部長という人もやってきた。
部長「親御さんの心配するお気持ちはよく分かりますが頑張りましょう。」そういう類の声かけだったと思う。
悪夢を見ているのか地面が溶けているのか。全身がふわふわしているのだ。先生からの説明をメモした物を確認しながら診察室を出るが自分ごとではない。間違いであって欲しいのだ。
説明後、病室へ
病棟はICUの、無菌室とのこと。ICUの中でも特別?聞いたことない。
ICU9階に上がるためにエレベーターで移動するが会話はない。会話すると泣いてしまいそうになるのだ。
ICUに入れたのは病院に着いてから10時間が経過していた。夜に突入している。無菌室という部屋に案内されマスクや防護服を身につけた私たちはカンタが休んでいるベッドのそばに案内された。
顔はマスクで覆い被され手や足は3倍位以上に大きく膨らんでいる。ベッドの背後には脳外科勤務の経験がある私でもわからない機械がカンタに接続されている。(後に私は一人七夕祭りと皆に説明した)
腕は拘束され動きたいと争っている。私は目を伏せた。「これは本当なのだ。カンタは明日、心臓の手術をしなければ命は助からない。いや、明日まで持つのか?」
それほどひどい状態だった。ほんの数時間前、ストレッチャーで運ばれていくカンタは分かった。だが今、目の前にいるカンタは看護師に連れて来てもらわなければカンタと見分けがつかないほど変わり果てているのだ。
看護師はカンタに声かけをする。カンタに反応はない。「さきほどまでお話ししてたんですが。」私はカンタの顔の近くで声をかける。「カンタ!わかる?!」
微かに目が開きすぐに目が閉じる。
足の力が抜けそうとはこのことだった。立っていられないのだ。へたり込むという状態になりそうなのを気力で抑えた。そんなことをしている場合ではないのだ。
でも神様を恨む。神様はいないのだ。なぜこの子がこんな目に遭うのか。なぜ私ではないのか。神様、私に試練をくれればよかったのに。神を恨むことは本当に起こり得ることを知った。
手術当日
何時に帰って、家で風呂に入ったことなどは覚えていない。
どのように家族たちや親類たちに説明したのかも覚えていない。元旦那と手分けして電話をかけた記憶だけは残っている。ふわふわしているのだ。
手術当日(次の日)朝の8時には病院にいた。9時前に来てくださいと言われていたが病院に泊まりたいくらいだった。祖父母も親類たちも何人か来ていた。離婚していても仲がいいという特殊部隊である。
書類10枚以上に同意書を書いた。ものすごく違和感だった。同意書を書いたら何かあってもカンタは戻らないことに同意書を書いていることになっている気がした。
手術は6時間から8時間の予定だった。
実際には13時間かかった。もちろん親族皆、自宅待機だ。苦しすぎて待てやしない。
昨日お会いした心臓外科部長が親族待機室に説明に来てくれた。人工弁は1つ入れた、もう一つは削って残してくれたそうだ。しかし血液を流してみて出血があったためもう一度縫合を行ったが変わらなかった。何度も心臓を止めることはできない。リスクを考えて終了したとのこと。
またふわふわした。何回ふわふわさせるんねん。もういいやろ。誰かカンタを助けてくれ。また信用ならない神様に神頼みをするのである。メモをしている字が自分でも読めない字になっていく。
しかし先生は経過を観察していくという。希望があるのだ。面会してもいいという。
以前よりも奥に連れて行かれナースステーションの目の前に連れて行かれた。
ドクターや看護師たちと思われる人が10人ほどカンタの周りにいた。カンタに繋がれた機械は昨日の4倍ほどになっていた。「ガンダムやん」と心の中で思ったほどだ。冗談を言わないとやってられないのだ。
心は冷静だった。そういえば涙も出ていないな、と思い出した。受け入れるしかないのだ。
「カンタ!頑張った!すごいよ!」それしか繰り返せなかった。元旦那は手をさすっていた。私たちにはそれしかできない。
命は繋ぎ止めれたのだ。どういう状況であれ生きている。このことは感謝する以外何があろうか。
まとめ
長々と話しすぎた。カンタは確率の低い病気に当たってしまった。
確率の高い病気にかかってしまった当人、ご家族もいるだろう。
幸い、カンタは今でも生きている。もしかして、そうでない方もいるのかもしれない。
病気にかかるということは当人だけの問題ではないのだ。胃が痛い。頭がガンガンする。肩が痛い。など身体はサインを出している。大ごとになる前に検査を受けることをお勧めしたい。
カンタには小さい頃からアトピーがあった。完治できておらず、大人だからと放っておいた。
私ごとではあるが実際、老眼と思っていたがこの機に眼科にかかってみたら緑内障だった。盲目になった私の世話をする娘のことを考えると病院受診してよかったと思う。
- 完治を目指す
- 早期発見、早期治療
昔から言われているが自分のためだけではない。ものすごい壮絶な体験をさせてしまうというリスクを知っておいてもらいたい。
是非、私を教訓にしてもらいたいと願う。
カンタはその後順調に回復し今週中に退院の予定が組まれていた中、脳内出血し右麻痺になってしまった。
またいつかのお話で。

